ISIS

ちょっと議論になったので自分のメモ方々ここにも控えておく。
ISISのパリにて起きた同時多発テロについて、色々なところで取り上げられてFacebookでも独自の活動なんかが始まっている。
それ自体に特に文句はないし、むしろ歓迎すべきことだと思っています。
ただ、その中でとっても注意が必要なことがあるのだとも思っています。
結論から言えば、背景に関する知識を持たずに表面的なお話でこの問題を片付けて理解してしまってはなんの意味も無いということです。
前提:今回のISISによる、テロ行為は許されざる蛮行で非難の対象となるべきことである
ここの前提に関して異論のある方は少数派だと思いますが、かの組織がなんの目的でこういった一連のテロ行為や、他国民の殺害という重大な人権侵害を行っているのかというところへの理解がどこまであるでしょうか。
マスコミレベルの報道では未だにISISの事を『イスラム国』と呼称し、イスラム教徒やイスラム(宗教としての)に対する二次被害を未だに発生させている心ないものも残念ですがあります。(少なくとも産経と朝日新聞のニュースで確認済)
根っこをたどると国際社会の動静や、アメリカの外交的な失敗の話になっていくので深いところには触れずに簡潔にだけ言えばISISの一連の行動の目的は自由主義と民主主義を価値観として標榜する先進諸国への民主主義的な攻撃です。ISISがこういったテロ行為をすることで、中東諸国・アメリカを始めとするISISと主体的に戦っている国とその背後で支援や援助を行っている国家を切り離し、自身たちへの攻撃を緩和することを狙いとしています。
具体的に言えば日本でも最近話題の若者を中心とした(構成員を見ると怪しいものですが)団体が主導しているデモや抗議行動はまさしくテロリストの狙い通りで、
『国家がなぜ自国民の血を流して遠く離れた国の為に物的にも人的にも助けしなければならないのか。』
『なぜ私達の家族が殺されなければならないのか。』
理詰め、感情論両方の面でそれぞれの政府に対する批判行動を起こしています。
これによって民主主義国ですから、政治家も選挙で落ちればただの人になり国民の意見に対して強く出ることが心理的に難しくなります。
言い方を変えれば、平和の為にと信じて起こしているかも知れない行動が平和を脅かすテロリストの大きな助けになるのです。
ISISに関して言えば、日本においても2人の尊い人命が処刑による侵害されました。しかし、その後も総理はISISを継続して批判し国際社会への貢献をより強固なものにする宣言を行いました。
もし、ここでISISの主張に折れて人質開放の為に多大な身代金を支払ったとすればそのお金で多くの兵器が買われてより多くの命を奪っていくだけでなく、日本人を拉致すればカネになると覚えた各組織がこぞって日本人を狙うことになったでしょう。
我々日本国にはダッカ日航機ハイジャック事件という苦い教訓があります。
これを踏まえた一連の政府の行動は本当に素晴らしいもので、今後の政治家のお手本となるものであったと確信しています。
しかし、これが例えば現在の政府でなく一昔前のあの総理や、あの総理であればどうなったでしょうか。未だに元総理の名前を使って日本国に対して不利益になる発言を繰り返すあの人が現職であればきっと、人質の為に身代金を払い目先の人命を守るためにより多くの人を危険にさらしていたことでしょう。
ISISの短期目標は組織と組織幹部が生き残ること
ISISの中期目標は国際社会を混乱させ、自身の敵対者を減らしシリアやイラクを飲み込んだ強大な軍事国家を樹立することです。
その為にどんな行動を一人一人が心得ておくべきかを今回の事件から一人でも多くの人が知れればいいのになって思っています。