なんだろう。

この世界に生まれた、生まれたからには死ぬ。
10歳で・100歳で・病気で・事故で。様々な時期に様々な原因で死ぬ。
死んだらどうなるのか、どうにもならない。あえて近いものに例えるならば

「暗闇だと認識できない暗闇」

死から逃げる為に神だとかなんだとか、そういうものが作られた。
でもいつかは逃げることが叶わずに死ぬ。
ならば逃げるよりはきちんと受け止めるべきだろう。
もちろん逃げたい人は逃げれば良い、それも
一つの選択であるし幸せの一つなのかもしれない。
しかし、ここで僕は死を前提に生きることを考えてみる。

「死ぬことで全てが消えてしまうので、全てが無意味なものである。」

確かにその通りだろう、死んだら自分は意識なんかできないわけで
そうなってしまったら全てが無意味なものと考えることができる。
でも、僕らが生きている中で
嬉しいことや楽しいこと、悲しいことや辛いこと。
様々な感情や出来事を僕らは同時に肌や心で感じて生きている。
大多数の人はなんで無意味なはずの人生で無意味な一個一個の
現象に一喜一憂して生きているのだろうか。
実は皆は生きることが無意味な事であるとは思ってないんじゃないか。

僕が始めて死ぬことを生の前提として捉えて意識した時、
激しい絶望に駆られた。
考えるだけで重々しく、生きていることにも絶望しかけた。
しかし、そん中でも自分から積極的に死のうと、
無意味な生を終わらそうと思っても実行に移さなかったのは
周りの人々と日々のくだらなくも
素敵な出来事達が僕には素晴らしく思えたからだと思う。

生きることを無意味な物とする論理を心の中に持ち、
そしてそれを否定する論理を組めずに、それを日々ごまかして
1日1日をただ適当に流して楽しいことだけを追い求める日々が
かなりの期間続いた。

そしてある時にきづいた。
「生きる意味や死ぬ意味なんていうものは、
そんなに重要なものでは無かったんだ。」

生きていく為には僕らの生きる社会では多くの人とのかかわりを
もつことが必要とされている。
しかし、僕が生きていく為の理由なんてものは、
他の人に「こういう意味なんだ、だから生きていていいんだ。」
なんて主張するものではなくて、自分がそう思えるかどうか。
つまり、死を前提に置いても、それがある種無意味だと理解しても
同時に僕が生きたいと思えばそれだけで良く、
他の理由なんて要らなかったんだ。

生まれたから僕は死ぬ、社会の大多数の人から見たら僕の一生なんて
気にするほどのことも無いようなものなんだろう。
それは少し悲しいけど、それはそれでいいんだ。
僕の幸せの規準は僕が決めるし、僕にしか決められない。
生まれてきた偶然や必然に感謝と恨みを込めて生きていくか
死んでみるかは僕が決めることだし、生きるのも死ぬのも
根底では、たいして違わないことなんだ。
僕は死ぬのは当然に怖いけど、これからは必要以上怖がるのを止めよう。

「生きようが死のうが、僕がどうしたいのかが僕には一番大事なことだったんだ。」

人と比較しても満足のいく幸せなんて手に入らない。
僕は生きていて確かに幸せを感じます。
僕は生きていて確かに不幸せを感じます。
僕は生きています。
僕はいつか死にます。
でも僕はまだ生きていこうと思ってます。
どうせ生きるならできるだけ楽しく生きて行こうと思います。

「生きていてもいいですか？」
「聞くことじゃない、思い込むことさ」