社民党は何故ずれてるのか-阿部知子発言に思う。

社民党阿部知子政審会長は15日午後、都内で開かれた市民団体主催のシンポジウムで、
日朝関係について早期の国交正常化実現が望ましいとの考えを示した。
 阿部氏はその理由について「核開発を監視するためにも国交を回復した方が(動向が)
よく分かる」と指摘。さらに「拉致問題も遠くから棒でつっついているみたいな方式では、
拉致された人たちの人権も何も帰ってこない」と語った。

引用:http://news.livedoor.com/article/detail/3263129/

突っ込みどころはいくつもありますがそれは後に回して、この人を含む社民の議員の皆さんと
実際に家族を拉致された拉致被害者の人々とそれを救出しようと活動を続ける議員さんの意見の
内容は正反対です、では何故この違いが生まれるのかを最初に考えて見ましょう。


この人は国交樹立をすれば『北朝鮮との対話』が成立すると考えていますが、
家族会及びそれを支援する人々は国交樹立によっては『対話』が成立するとは考えていません。
問題なのはどちらの方が現時点の判断として最適か、ということですが
北朝鮮の今までの行動を見る限り、どちらの方が現実味があるかは一目瞭然です。


北はこれまで核開発にせよ、拉致問題にせよ、したたかに外交カードとして使用してきました。
軍事や経済力に関しては三流でも外交の面では日本よりも優れるアメリカを敵にまわし、
ついに先日自身たちに有利な条件を引き出しての核開発放棄を遂行しました。
そのような国に対して外交問題の一つである拉致問題を解決せずに、先に国交樹立という
北朝鮮が大いに望んでいるカードを無条件で先に切ってメリットがあるでしょうか?
それ故に家族会の人々は社民議員のこの現実味のない考えにはくみしないのです。


さらに、拉致は金正日率いる北朝鮮による国家的犯罪です。
この解決なく、国交を樹立してしまえば国民の命と人権の奪還を弱腰の外交によって
取り戻すことすらせずに、表面的友好関係を優先したという歴史が日本には刻まれるでしょうし、
近隣諸国を含む、この問題にある程度の関心を持つ国は日本をそのように評価するでしょう。
それが日本の国益に合致するかといえば合致しませんし、法治国家として恥ずべき行いです。


そのような事実を踏まえてみるとこの阿部知子発言は、いくつもの重大な事実誤認と
状況に対する不見識によって成り立っており、自分達の家族を取り戻そうとする
家族会及び議員達の行いの邪魔にしかならない言動です。



1、現実味のない北朝鮮側の『良識』任せで自発的解決策ではない。
2、北朝鮮の今までの外交行動を意図的に無視している。
3、遠くからつっつきまわすと表現した方法で数名の被害者は奪還されている。
4、人権を擁護するといいつつ人権擁護の邪魔になっている。


一刻も早い阿部知子議員の議員除名を望みます。