なぜ彼の死を悼む人と貶す人がいるのか。

ひとえに価値観の広さと共感性の問題だと思う。


彼は社会や世間の常識からみたら恐るべきことばかりをして生活をしてきた。
彼の手にかかって死んだ人、及び彼の行動の結果として死んだ人も数多い。
しかし、それは彼が後天的に受けた教育や環境、与えられた能力を他の人に
活用されて行われたことで、彼自身が選び取ったわけではない。
これを踏まえて彼の人生を見て、なおかつ物語のキーポイントとなった人物を
彼が殺害した時の彼の意思に基づく殺人を彼のそれまでの環境や、思想に基づく
結果であるとしてみなせる人と、そうではなく、彼の環境がどうであっても社会や
人に対して被害を与えたことが悪であるとみなし、取れない責任までも
彼に求める人は、彼を許せないのだ。


勿論、彼を許さなくてもいい。
ただ、彼には他の選択肢が無かったことだけは覚えておいてほしいし
その中で唯一自分で勝ち取った輝かしい記憶を守る選択こそが僕らを共感させ涙を生んだんだ。